最初に ゴルフダイジェスト(英語版)の 2007年 6月号で紹介されて注目されるようになったスイング理論にスタック アンド ティルト打法 (Stack And Tilt Golf Swing) という理論がある。アンディー・プラマーとマイク・ベネットというティーチングプロが生み出した理論で アレン・ブラッドレーや マイク・ウィアー、その後は マット・クーチャー、タイガー・ウッズのような超一流のツアープロが この理論を取り入れてフォームの改造を行ったと言うことで 話題になったスイング理論である。

 理論のベースになる考え方

スタック アンド ティルト打法は それまでのゴルフの常識では 正しい動きだとは考えられなかったようなことを良しとしている点でユニークな理論である。この理論のベースになる考え方は ボールを芯で捕らえることが重要で そのためには クラブがいつも同じポイントに落ちてくるようなスイングが出来なければならないと言う発想だ。

 常識外れの理論

バックスイングでは頭を動かさずに肩と腰を回転させて、体重移動ではなく、体の回転の力でボールを遠くに飛ばそうという考え方であるが、テイクバックでは クラブヘッドを飛球線に対して真直ぐ引くといったような動きではなく、フラットに、そして、インサイドに腕とクラブを引くという動きを推奨している。また、バックスイングでは 55:45 位の割合で左足(ターゲットに近い方の足)の方により多くの体重を乗せ、トップでは 右脚の膝を伸びばすといったような 常識外れ と思えるような動きもする結果になる。

さらに、前傾姿勢の角度を変えないまま 肩と腰を回転させるから 背骨は バックスイングの時に ターゲットの方に傾き(Tilt という言葉が打法名に入っている由縁)、そして、インパクト時にほぼ真直ぐになって フィニッシュでは 右に傾く(所謂、リバース C の形)というようなフォームになる訳だ。ただし、フィニッシュ時には、左足に体重が移動しているからリバース ピボットの打ち方とは 明らかに異なるのだが、初めてスタック アンド ティルト打法を見た時には やはり 違和感を感じざるを得ないだろう。

 賛否両論

この打法は ツアープロの選手だけでなく アマチュアゴルファーにも注目され 多くの選手に取り入れるられたものだが、以前のゴルフスイング理論では 良しとされなかったような動きもあることから ティーチングプロの間でも その是非に関しては賛否両論がある。なお、ゴルフダイジェスト誌に寄せられたコメントの中には スイングが大幅に改善したというものから 批判的なものまで 様々なものがあったようだが、その反響は 大変大きいものだった。 


1) アドレス
• 肩が腰の上に乗るイメージで構える
• スタンスは つま先を少し開いて 足がハの字なるように立つ
• 55/45 で前足(右利きの場合 左足)の方にやや多めに体重を乗せる
• あごを引く

2) バックスイング
• 背骨の傾きに対して直角に 肩を(左肩が少し突っ込むように)回転させる
• トップでは 体重を前足の方にさらに乗せる
• 後ろ(右)足を伸ばし、左足は曲げる
• 背骨を ターゲットの方(左)に少し傾ける

3) ダウンスイング
• 腰を前にスライドさせて、背骨を 右に傾ける
• 頭を動かさないようにする
• 立ち上がるようにし、腰をリリースして回転させる
• インパクトでは 肩をスクウェアーにする

4) フィニッシュ
• 腰をさらにスライドさせて 背骨を伸ばす
• 90% の体重を 前足に移動させる
• フィニッシュに向けて 腕をターゲットの方に伸ばすようにする


ご存知の方も多いと思うが スタック アンド ティルト打法は それまでのゴルフの常識では正しい動きだとは考えられなかったようなことを良しとしている点で ユニークな理論で その理論のベースになる考え方は ボールを芯で捕らえることが重要で、そのためには クラブがいつも同じポイントに落ちてくるようなスイングが出来なければならないと言う発想だ。始めは 違和感を感じざるを得ない理論であろうが、ツアープロの選手だけでなく、アマチュア ゴルファーにも注目され 現在までに多くの選手に取り入れるられているゴルフスイング理論ということだから 研究してみる価値は 十分にあるだろう。