「ありがとう」 阪神・佐藤輝明、引退の糸井嘉男へ感謝の一打


佐藤 輝明(さとう てるあき、1999年3月13日 - )は、兵庫県西宮市出身のプロ野球選手(外野手、内野手)。右投左打。阪神タイガース所属。 実父は柔道家・関西学院大学人間福祉学部准教授の佐藤博信。 新人左打者最多本塁打記録保持者(24本)。 西宮市立甲東小学校1年で「甲東ブルーサンダース」に入…
52キロバイト (7,092 語) - 2022年9月2日 (金) 16:41


 ◇○広島10―4阪神●(21日・甲子園) クライマックスシリーズ進出へ、し烈な争いをする広島との一戦で、感謝の一打だった。阪神の佐藤輝明が、かわいがってもらった糸井嘉男の引退試合で先制の2点適時打を放ち、「嘉男さん、ありがとう」とコメントした。 一回、広島の先発・森下暢仁が3連続四球と乱れ、2死満塁で打席に入った。得点圏打率は2割4分台と高くない。しかし、1ボールから内角の直球を強く振り抜いて右前へ運び、2点を先取した。この日1軍登録された糸井はそれを見て、ベンチで拳を突き上げた。攻撃が終わり、二回の守備に就こうとする佐藤に糸井が歩み寄る。グラブを渡すと軽く抱擁し、2人はキャッチボールを始めた。 2人は近畿大出身で、自主トレーニングも一緒にする間柄だ。佐藤を可愛がってきた糸井は13日の引退記者会見で佐藤に「もっと練習せい」と、愛のある叱咤(しった)の言葉を贈っていた。 目の下を黒く塗ってまぶしさを軽減する「アイブラック」をナイターの試合でも塗る佐藤はこの日、糸井の背番号「7」を黒地に白色で記して臨んだ。一回の右翼の守備では、1死一、二塁のピンチでマクブルームの大飛球をジャンピングキャッチした。 2点を追う五回、糸井が2番手で救援した西純矢の代打として登場。場内に名前がアナウンスされ、登場曲のSMAPの「SHAKE」が流れる中、打席に立つと、森下からフルカウントまで粘った末、8球目の外角高めの147キロ直球を持ち味の柔らかい打撃で左前へ流した。 プロ通算1755本目の安打は、2009年から6年連続打率3割超えの高い打撃技術を感じさせた。「これが最後となることはさみしいですけど、そんな中でヒットを打って幸せです」と糸井。佐藤はいち早くベンチ前に出て喜んだ。2人の師弟関係に甲子園が沸いた。