【新型コロナ5類へ】セルフメディケーションの備えとなるロキソニンとカロナール。発熱したら結局どっちを使えばいいの?
…せん。 さらに子どもがインフルエンザに罹った時、ロキソニンを飲むとインフルエンザ脳症のリスクが上がるので絶対に使用はしないように。 また、ロキソニンは…
(出典:集英社オンライン)


インフルエンザ脳症インフルエンザのうしょう)とは、インフルエンザウイルス感染に伴う発熱後、急速に神経障害・意識障害を伴う症候。病型は、急性壊死性脳症、ライ症候群、HSE症候群(hemorrhagic shock and encephalopathy syndrome、出血性ショック脳症
7キロバイト (996 語) - 2022年11月27日 (日) 22:23


普通の解熱鎮痛薬としてはもちろん、コロナワクチン接種後の副反応の発熱や喉の痛みなどでも処方されるロキソニンとカロナール。身近な薬だがどんな違いがあるのか、今後ますます重要になるセルフメディケーションの備えのためにも、ウチカラクリニックの森勇磨医師に解説いただいた。



体に入った時の作用の仕方が違う
ロキソニンもカロナールも解熱鎮痛剤というジャンルのお薬になります。
発熱や喉の痛みなどの症状で病院に行くと、解熱作用、鎮痛作用のどちらにも効果があるので医師が処方することが多い薬です。

では、医師はロキソニンとカロナールをどう使い分けているのでしょうか?

具体的には、 
①体に入った時の作用の仕方
②副作用
③飲んではいけない人
の3つのポイントによって使い分けされています。

まず、体に入った時の作用の仕方で比較してみましょう。

痛みや発熱の原因は組織の炎症です。その炎症によって発生した生理活性物質の「プロスタグランジン」が痛みを感知させやすくしたり、脳に体温上昇させたりするように知らせます。

ロキソニンは発熱や痛みを感知させる「プロスタグランジン」が発生する前に、その生産をストップさせます。そのため、ロキソニンを飲むと痛みが引いたり熱が下がったりするのです。

一方、カロナールは脳から脊髄へ痛みを知らせるのを抑えると言われていますが、まだ、はっきりと体にどのような作用を及ぼすのか証明されていません。

体への作用の面からいうとカロナールよりロキソニンのほうが痛みや発熱に効果あるのですが、ここで使い分けのポイントとして重要なのが『副作用』と『飲んではいけない人』です。



カロナールよりロキソニンの方が副作用は強い
副作用とは風邪薬を飲んで鼻水は止まるが、眠くなるというように、薬の目的以外に好ましくない作用が出ることです。

副作用においては、ロキソニンは飲み続けると腎臓や胃に障害が起きてしまうことがあります。
炎症による発生する「プロスタグランジン」には血管を拡張する働きがあるのですが、ロキソニンを飲むことで、「プロスタグランジン」が抑えられてしまうため、同時に血管を拡張する作用も抑えてしまいます。
そうなると腎臓に血液を送る血管が広げられなくなり、狭くなるため、腎臓に十分な血液が流れなくなるのです。これが原因で腎不全になってしまうことがあります。

病院でも、頭痛がひどい人が1時間おきにロキソニンを飲んだところ、腎臓の機能を表す指標であるクレアチニンが血液検査で調べると、正常値の5倍になっていたというケースがあります。

また、ロキソニンには胃の粘膜を保護するCOX1という成分を抑えてしまうので、飲みすぎると胃が荒れて胃潰瘍になったり、最悪、胃に穴が空いたりする場合も。

ただし、風邪の間だけロキソニンを飲むくらいなら、ほとんどの人はこういった症状はでないので安心してください。

頭痛や腰痛で、ロキソニンを服用する際、用法・用量を守らず毎日飲み続ける、あるいは一度に大量に飲むなどしていると腎不全や胃潰瘍になっても全然不思議ではないので、薬の処方箋に従って使用するようにしてください。

また、ロキソニンを長期間飲む場合は、胃酸の分泌を抑える胃薬を一緒に飲んで胃潰瘍を予防することが多いです。

一方、カロナールは大量に服用すると肝臓に障害が現われることがあります。
カロナールは風邪なら1日1500㎎、痛み止めなら1日4000㎎、使用していいとされています。
4000㎎とは錠剤にすると1日14錠になりますが、そこまで飲み続ける人は少ないので、カロナールの副作用はロキソニンに比べて起こりにくいものになります。

ただし、乳幼児には注意が必要です。ラムネなどのお菓子と勘違いし、誤ってカロナールを口に運ばせないように。
乳幼児の体の大きさに対して大量のカロナールを摂取することになってしまうので、薬は子どもの手が届けないところに置くようにしましょう。